タイトルイメージ 本文へジャンプ
   地元 鈴鹿市の海岸にある松。

 ■ 地元の海岸沿いにある黒松。
 鈴鹿市の方から 三重県樹木会のほうへ ’松を診て欲しい との依頼があり 現地へ調査へ出かけた。
 なんでも 松の幹に大きな穴が開いていて  『それが原因で 樹が弱ったり 枯れたりしないか?』
 との問い合わせ内容だった。
 さてさて 現地へ出向いて見ると・・・・

大きく傾いた・・・と言う表現よりは 倒れていると言ったほうが早い。 
伊勢湾台風か何かでこけたのだろうか?? 右側が根元。


うん。 確かに穴が開いている。 ・・・と言うがそこにセメントがたくさん詰まっている。 
また さらに酷いのは 下の写真を見て欲しい・・・・。 (>_<)


 ここも セメントが詰められていたようだが すでに割れて無くなっており なんとその跡が ゴミ捨て場状態になっている。 すぐ近くに キャンプ場などがある事から その時のゴミが捨てられたのでは無いだろうか??
・・・・イチジク浣腸まで捨てて あった。(笑)


 ■ さてさて問題は?
 今回の診断依頼は あくまでこの開口部が 今後の樹に影響があるかどうか? の話だった。
 結論から言うと これが原因で樹が弱るとはあまり考え難い。 なぜこんな穴が開いたかと言うと 材が
 腐朽菌と呼ばれる菌に 分解されてなくなってしまったから。  そしてその際 分解されるのは 殆どが死んだ
 組織で 死んでいる細胞が どうなろうと 樹の活力には 影響はない。
 それより 問題なのは 樹体が支えられるか どうかである。 台風なのの強風での 折損がもっとも懸念される
 ところだが 今回の樹は この寝転がった樹形と すでに支柱が 施されている事から そういう心配も
 無いだろう。 

 
あ! 問題あり! 見つけてしまった・・・・・。
なんと 施してある支柱は 長年 そのまま放置された為に枝に食い込んでいる。 このままではここで折れる。 また 別の樹では 電線に接触している。 これでは・・・・
将来が怖い。  この辺りは 早急に改善の余地あり。
 ■ 総合的に診ると・・・・
ここは市民が集まる 海水浴場にある。 近くにはバーベキュー施設などあり 市民の憩いの場となっている。 やはり景観を重視する為にも 先ほどの ゴミ箱状態の開口部は
綺麗に清掃して またゴミ箱状態にならないように 専門家による閉塞術を施すと良いだろう。また 付近には 『松の下でバーベキュー禁止!』 の看板があったが 
これは 火災防止の意味もあるだろうが それだけではなく 松の病気対策の意味もある
との説明だった。
そういう事なら 折角なので 松に対して どういう影響があるのか市民に判りやすい
看板を 立てられないかなぁ?? と思った。

マツ材線虫病、ナラ枯れ などを例に上げると これらの病気が蔓延したのは
個人レベルで これらの 
’病気を知らない事 ’がもっとも問題なのだから。



戻る // 植木相談 // 一般 // HOME