伊賀上野城公園のサクラ。
 ■ 10月4日 伊賀上野城公園のサクラ。
伊賀上野城は、高石垣でも有名で、丘陵地でもある一帯は、国指定文化財にも指定されている。 この公園のサクラにはソメイヨシノがほとんどで、観光情報によると、約800本が植栽されているとの事。 そして全国お花見900選にも選ばれているようです。 ・・・・そんな有名なサクラなんですが・・・・・衰退。
伊賀上野城のソメイヨシノ。 観光HPより。

 ■ 衰退しつつあるソメイヨシノ。
大半がソメイヨシノ。 ソメイヨシノと言う樹木は、もともと人の手によって創られた園芸品種。 60年寿命と言われるが、それは本当であると、私は考える。  ソメイヨシノと言うのは特別な人の手が加えられなければ、そのままの放置状態では、大体60年位で枝、幹の不朽が起こり朽ち果てる。 古い枝は人為的に新しい枝に更新し、再生を図って行かなければ寿命を延ばすことは出来ない。 まして、ここは観光客も訪れる場所。 当然、人の往来による害もある。

この写真では判りにくいが、砕石が一面にひかれ、人の往来はサクラの根元にまで至る。 このような状態が続くと、すこしづつ地面は締め固まり土壌は固結していく。 そうなると、当然のごとくサクラは衰退傾向になる。

地面をすこし掘って土壌の硬度(締め固まり度)を計る。 27kg/cmであった。 一般にはどんなに硬くとも、20以下には抑えて起きたいところ。  

衰退の原因には、もうひとつ決定的な事があった。 こちらの写真のほうがわかりやすいので掲載します。
後ろのマツの樹の陰になっていることがお分かりだろうか?  実は、マツもサクラも典型的な陽樹(太陽の光を欲しがる樹木)です。 今回、マツは優勢樹種となり生存競争で、サクラに勝ったわけです。  こうなると勝負あり!
マツは伸びるが、サクラはどんどん衰退。 光が無ければ大きくなれません。


 ■ 別の依頼。
『え? サクラだけじゃないの??』  もうひとつ見て欲しい物があると言う。  
かなり古いフジだなぁ。 古いと言うか、ボロボロ。 幹が分かれて何本かのフジのようになっている。
『え? これを移植可能かって?』  ちょっと・・・いや、かなり悩むなぁ。 フジの根は探り掘りと言って、根がどの方向へ伸びているか、探りながら切らないように掘り取る。
こちらの写真を見てもらえば判るだろうか・・・・フジの根は、そのほとんどが石垣の下に潜り込んでいるようである。 これを移植って・・・・石垣を全部壊すの??  事実上、無理でしょう。 

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