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 三重県最太の大楠 ’引作の大楠’

 ■ 再び・・・引作の大楠
平成19年10月、大枝が折れたと言う事で 現地へ調査へ出向いた。 その枝が 1年半経過してやっと撤去される
事になりました。  当時の様子はここをクリック。
大楠の前にて撮影。

私の身長が170cmです。

写真の右端がすこし切れていますが まぁ

この樹の太さが どれほどなのか 判るでしょう。
 ■  折れた 大枝 撤去。
 折れた部位より枝先に
 5〜6m先の部位の
 輪切りです。

 ある程度の年輪は数えて見たが
 
 案外 年数は少ない。

 切断面が不明瞭で はっきり
 数えられたわけではないが・・・

 カンナでも持っていけばよかった。

大枝の二股に分かれた部位。

これで重量は2.8t あった。
輪切りにされた枝。
 前回の説明文を読んでもらえ
 ば判ると思うが
 これが 今回 折れた
 大枝の支柱の役割を果たして
 居たという。 


 つまりこういう事なのだ!
このクスノキの大枝は かなり前から ムクノキに寄りかかっていた。 そして そのムクノキが 支えとなり
クスの樹の大枝が倒れるのを防いでいた。  そして その事実に関係者は 気がついていたのだろう。
その証拠とも言える 写真が見つかった。
赤丸の部分がクスノキと
ムクノキの接触部位。
上の2枚の写真を良く見て欲しい。 赤い線がムクノキで 青い線が クスノキ。 線の交差する位置で クスの枝が
ムクノキに乗っかっている。   このような写真を わざわざ撮影して 飾っていたという事実は
何を意味するのだろうか・・・・
平成19年の夏の終わりの 風の無い雨の日の夜に・・・・葉に溜まった水分が 重量を増したのか
地響きと共に 枝は 避け 見事に落ちた。 ・・・・・周辺住人よりの説明。


 折れた跡は傷口として 大きく
 残った。 もっと早く
 対処をしていたら
 ここまでの大きな 傷跡は
 残さなくて 済んだかも
 しれない・・・。
 ■  問題はまだある。
前回の調査の調査で 内部の腐りの進行により かなり空洞化していることがわかっている。
今回は 折れた枝の撤去と 樹冠を小さくする 剪定の作業も行なった。
御神木を 切る! やはり色々な人の思いが交錯する。 どこまで切ることが正解なのか?
もちろん 安全だけを 考えれば 大きく切るに越したことはない。 ・・・しかし・・・それでは
この樹の 威厳というか風格と言うか・・・ 大きく変るだろう。 
事前の打ち合わせ。  

どういう剪定をするか??
 樹体内にもぐり内部を
 撮影。
 下から上を撮影したもの
 です。

 黒い部分がどこまでも
 続く空洞部分です。
 上の写真は 樹体内で発根している根を撮影したもの。 これを不定根といいます。
 樹幹流 (雨の日に幹を伝って流れる水)が 樹の内部にまで届いています。 そして そこから
 根が発生している。 できることなら この根を大きく成長させてやりたいのだが・・・・

神主さんらしき人が 一言。 
『私はね 切らなくても大丈夫だと思うんですよ。 今回の枝が倒れたのは 以前からヒビが入っていたので・・・
 本当は切って欲しくないのです。』
 ・・と。
全く 剪定しない事には とても賛成はできない。 この樹の威厳を保ちながら・・・・ 剪定作業を行った。
剪定作業前の 大木 ’引作の大楠’ 



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