住宅の地盤強化の為の、セメント系硬化剤の使用。樹木への影響は?
 ■ 住宅の地盤強化
今回は県外からの依頼。三重県から一人ヒョコヒョコと県外へ。 事前のメールヒヤリングから、次のように伺っていた。

クライアント:「7月1日に、住宅の地盤を強化するために、住宅の下に、セメント系硬化剤を注入しました。 それが
         8月になって、槙の木が、葉の色がおかしくなりました。 やはり薬剤の影響でしょうか?」


家の図面と、樹木(槙)の位置、そして薬剤の注入位置や方向などを図面で説明してもらった。
その薬剤の影響だとすると、土壌の化学性が変わっているはず。 そんな事を考えながら現地調査。


  7月1日時点でのマキの状態 
 
 (※クライアントより頂いた情報)
 8月1日時点でのイヌマキの様子。

  確かに葉が変色してる。

 ■ 8月9日現地調査
三重県から車を飛ばすこと、2時間弱。 現地へ到着して、イヌマキとご対面。 見た瞬間に・・・・

「あっ。 これ、薬品の影響ではないです。」・・・声がでかかったが辞めた。 

着いた瞬間に結論がでてしまった。 よほど直ぐに説明しようかとも思ったが、やはり専門家としては
そういうわけにも行かないので、イヌマキの根周辺の土壌を採取し、pH(土壌酸性度)とEC(電気伝導度)
について調査した。
pH、EC、どちらの値も正常でした。

 ■ 原因はコガネムシ
 犯人はこいつです。 

 ’ドウガネブイブイ’
イヌマキだけでなく、モミジ、モチノキ、アジサイなど、色々な物を食い荒らして居た。

問題のイヌマキの状態。 かなり食われては居るが、枯れる事はない。 コガネムシの発生もピークは超えているし。

 ■ 今後はどうするか?
今回の診断結果は、薬品の影響では無い事をクライアントに告げた。 
クライアントとは、もちろんその地盤補強の施工業者で、イヌマキはその住宅にお住いの方のものです。 

今後どうするか?  ・・・ 実はこれの方が問題。 単純に消毒をすればよい。 農薬に頼るのも一つの方法。
しかし、農薬に頼らない方法もある。 つまりは、農薬を使わず、コガネムシをはじめ、各種害虫と上手く付き合っていく方法です。
害虫も大量に発生したら、確かにあまりいい気はしないが、そうならないように管理する方法もある。  自宅前に庭を持つと言うことは、そういう事なんだろう。

イヌマキの持ち主に、どちらの方法も説明した。 あとは、あなたと、お庭と虫とのお付き合い! (^.^)


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