★☆ カイガラムシ |
○特徴と性質 | 樹木類につく害虫では、もっとも種類が多い害虫です。(吸汁性害虫) 貝殻のような、カラをかぶつていることが多いのでこの名前がつきましたが、コナカイガラムシやワタフキカイガラムシのように カラをかぶらない種類もあります。 また、木に定着する種類と、足で移動する種類があります。 一般的なカイガラムシは、固い貝殻状のカラをかぶった成虫になるので、 農簗の効果が出ません。 そこで、幼虫の時に薬剤散布で退治します。幼虫は5月ごろから発生し、以後 年間数回発生を繰り返します。 群生して木の養分を吸い取りますので、ひどい場合は枝枯れを起こさせます。 カイガラムシの分泌物は 『スス病』 の原因ですので、早期発見と駆除を確実た行ないます。 |
![]() ’カメノコウロムシ’の1令幼虫(星型が特徴) クチナシ |
○予防と対策 | 日当たりや通風の悪いところを好みますので
枝すきなどの手入れをこまめにします。 予防は、機械油乳剤や石灰硫黄合剤を 1月から2月に木全体に散布します。 幼虫の発生する5月ごろからは、スミチオンやスプラサイド、オルトラン水和剤などを散布します。 |
★☆イラガ類 |
○特徴と性質 | 樹幹や枝に固着した硬い楕円球状のマユで越冬し 6月頃羽化する。 成虫は黄褐色の蛾で夜間に行動する。 たくさんの種類があり 形状は違うが黄緑色で背中に縦の帯状紋がある。 また多数の有毒刺があり刺されるとかなり痛い。 2次幼虫は秋の遅い頃まで樹上に居るため柿の実を 取る際に刺された経験のある人も多いはず。 葉を食害する。 |
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○予防と対策 | 大量発生する害虫ではないが 一般的によく見られる害虫なので 見つけ次第捕殺する。 薬剤防除の場合は スミチオン、ディプテレックス、オルトランなどを散布。 薬には弱い害虫。 |
![]() イラガに食害された レッドロビン |
★☆ アブラムシ |
○特徴と性質 | この害虫も、木の栄養分を吸い取ります。 (吸汁性害虫) 春になり、温暖な気候になって植物が成長を はじめるころ、この害虫も活動を開始します。 種類も多く、またほとんどの樹木類に発生します。 とくに新芽や若い葉、枝、つぼみが被害を受け、群生するのも特徴です。 アブラムシのついた木は、生育が悪くなり、葉が締れたり花弁が変形します。 さらに、『スス病』 やウイルス性の「萎縮病」も誘発しますから要注意です。 また、寄生する植物を変えながら大発生することもあります。 |
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○予防と対策 | 一般の殺虫剤で、ほとんど退治できます。 春の発生時期には、マラソンやスミチオンなどを、10日おきに木全体に散布します。 また、金魚やペットなどの小動物がいる場合には、噴霧器による消毒ではなく、土にバラまいておく粒状タイプの薬品を使うといいでしょう。 こいつは簡単です! (^o^)丿 |
![]() アブラムシの被害により萎縮した梅の新芽 |
★☆ コナジラミ・キジラミ |
○特徴と性質 | 体長が2〜3mmときわめて小さく、群生して木の養分を吸い取ります。 そのため養分を吸い取られた木の葉は、成長障害を起こして縮れたり、 「スス病」の原因にもなります。 |
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○予防と対策 | 湿度の高い、通風の悪いところに多く発生し、主に葉の裏側につきますので発見しにくい 害虫です。しかし、葉を指すってみると白く小さな虫が飛び出してきます。 発生を認めたらオルトラン水和剤などを、葉の裏側に重点的に散布しす。 年間を通じて発生する害虫ですから、薬剤散布も繰り返し何回もやる必要があります。 |
★☆ グンバイムシ |
○特徴と性質 | 葉の裏につくひじょうに小さな害虫で、木の養分を吸い、 被害がひどくなると葉全体を白っぼく変色させ、落葉させてしまいます。 夏の高温と乾燥を好み、 大発生してつぎつぎと木全体に広がり、木を衰弱させます。 |
![]() 葉が白く変色したツツジ |
○予防と対策 | 夏の高温期に スミチオン、マラソン、アドマイヤー、モスピランなどを、葉全体にかかるように定期的に散布します。 この定期的な繰り返し散布がとくに重要です。 |
![]() 羽の形が行司軍配に似ていることに由来する |
私が実際にある造園業者に提出したレポートがこれです。
★☆ スリップス |
○特徴と性質 | 花や葉につく 体長3mmほどの非常に小さい害虫です。 主にツボミや花びらにつき その養分を吸います。そのため花の発育が悪くなり 花がよく咲かなかったり、ひどい時には腐らせてしまいます。 グンパイムシと同じように、高温で乾燥した条件を好みます。 |
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○予防と対策 | 4月から10月にかけて発生しますが、最盛期は夏です。 この期間にはマラソン、スミチオンなどを10日間隔で、花や葉に重点的に散布します。 |
★☆ ハダニ |
○特徴と性質 | 肉眼では見えません。 葉の裏に寄生して植物の養分を吸います。 何種類もいますが、一般的にはハダニ類として総称します。 繁殖力が旺盛で、短期間に何回も繰り返し繰り返し発生し、葉一面に群生します。 被害がひどい場合には、葉が小さく巻いてしまったり、成長が止まったりします。 高温と乾燥を好み、カンキツ類に多く発生し、その場合は実にも被害が広がる事があります。 |
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○予防と対策 | 4月から10月に多く発生します。 雨に弱いので、乾燥が続いている時には木全体に散水を行なえば発生は抑えられます。 発生後は、一般的なダニ退専用の殺虫剤 (ケルセン・オサダン) を 葉の裏を中心に散布します。 |
★☆ ケムシ類 |
○特徴と性質 | いずれも、葉を食害する害虫で、ガやチョウ類の幼虫です。 一見してよくわかる害虫で、種類も多く、例えばアメリカシロヒトリなどは、短時間で菓を食いつくすほどの被害を発生させます。 また、ツバキやサザンカなどに多いチャドクガ、ウメにつくウメケムシ、サクラにつく アメリカシロヒトリ、モンクロシャチホコ マツ類につくマツケムシなど、種類が非常に多い。 |
![]() 俗に言う兵隊 ’アメリカシロヒトリ’ |
![]() 桜などに大量発生する’モンクロシャチホコ’ |
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○予防と対策 | 害虫の種類によって異なりますが、主に4月から10月にかけて発生します。 葉を食害する害虫類は、発見が簡単ですので、見つけしだい捕殺します。 薬剤を使用する時は、オルトラン水和剤やスミチオンなどを10日おきに3〜4回、 散布します。これで、ほとんど殺虫できます。 |
★☆ コガネムシ(成虫) |
○特徴と性質 | 成虫は、花の咲くころに飛んできて、ツボミや花弁、新葉を食い荒らします。 | ![]() |
○予防と対策 | 5月から8月に多く発生し、飛来してきますので、見つけしだい捕殺を繰り返します。 薬剤散布の場合は、オルトラン水和剤かスミチオンを散布します。 |
★☆ カミキリムシ(テッポウムシ) |
○特徴と性質 | 食害で被害を出す大型の害虫で、その成虫も幼虫も大敵です。成虫は甲虫で、若い枝をかじりながら一巡するので、かじられた枝は枯れてしまいます。(右写真)このカミキリムシは、あちこちに飛び回りながら食害を続けます。また幼虫は、木の幹に穴を開けて入りこみ、木の内部を食い荒らします。この幼虫は別名「テツポウムシ」と呼ばれ、開けた穴から糞を出します。幼木の場合は枯れてしまう場合もあります。 | ![]() 成虫が若枝を食外した痕 |
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![]() ゴマダラカミキリ |
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○予防と対策 | とくに4月から8月にかけて発生しますが、年間を通じて見られる害虫です。 幼虫は、開けた虫穴から糞を出しますので、その穴にスポイトでスミチオンを注入し土で穴をふさいで殺虫します。 成虫は、捕殺がいちばんですが、産卵させないためには、 親虫の発生する前の春に、株元に樹幹塗布剤のサツチユーコートS などを塗って予防します。 ダイジストンの根元散布でもOK!! |
![]() テッポウ虫の侵入あと ’白樺’ |
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←枝に進入した痕 中には 右の写真のような幼虫が入っている。 |
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ここです! |
★☆ ハマキムシ |
○特徴と性質 | 数種類のハマキムシがいますが、共通するのはその生態です。 その名前の通り、葉を巻いて袋状にしているものや、数枚の葉を頼り合わせ、その中 に潜んで新芽や葉、ツボミなどを食べてしまいます。 年に数回繰り返し発生し、いろいろな種類の植物を食害します。 |
![]() チャノコクモンハマキの被害を受けたマメツゲ |
○予防と対策 | 葉にくるまっていますので、薬剤がかかりにくい害虫です。 ですから使用する薬剤は浸透性のある オルトラン水和剤や アクリテックを4月から10月にかけて数回 散布します。 |
★☆ エカキムシ(ハモグリムシ) |
○特徴と性質 | 数種類の仲間(ハモグリムシ類)がいて、葉の中に小さなムシが住み、葉の肉の部分を食害しながら移動します。 被害を受けた葉は、白っぼく絵を書いたように食い荒らされます。 |
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○予防と対策 | 4月から5月と、9月から10月ごろ発生します。 オルトラン水和剤などの、浸透性のある薬剤で 春と秋の期間に2〜3回、葉を中心に散布します。 |