※上記をクリックしてください。
























□■肥料の三大要素        (ひとつ前の画面に戻る)
 チッソ(N)、リンサン(P)、カリ(K)を 肥料の三大要素といいます。
 この3つの成分は 植物が健全に成長するためには欠かせない成分で その主たる役割は下記の表のようになります。
   

 ○成分 ○主な働き 欠乏時の症状
 ■ チッソ (N) 開花、結実、生育を促進させます。
葉の色を濃くします。
葉の色が悪くなり
元気なく見えます。
生長不良をおこします。
■ リンサン(P) 開花、結実を促進させます。
また根を伸張させ 『実肥』とも
呼ばれています。
花数が減少したり
開花や結実が不良になります。
 ■ カリ(K) 主に根や葉茎を丈夫にし
耐菌性を高めます。
『根肥』とも呼ばれます。
根の成長が不良になります。

 これらの肥料成分が欠乏すると 植物の成長に悪影響を及ぼすだけではなく さまざまな病害虫に対する 抵抗力が低下する事になります。
 

複合肥料について ホームセンターなどで販売されいる肥料のほとんどは複合肥料です。 
『○○化成8−8−5』
と表示されているのを見たことがないですか? 
これは
窒素8% リンサン8%カリ5%を意味し 3大要素の合計が21%と言うことです。
3大要素の合計が 10%〜30%のものを 普通化成肥料といい 30%を超える物を 高度化成肥料といいます。
くれぐれ肥料成分は 高ければ良いという物ではないのでご注意を!
単肥 N−P−Kのうち1種類の肥料成分配合のものをいいます。 尿素、過リン酸石灰、硫安などがあります。


□■その他の成分
 三大要素の他に カルシュウム(Ca)、マグネシュウム(Mg)、硫黄(S)、鉄(Fe)、モリブテン(Mo)、ホウ素(B)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn) などがあります。
   これらの要素は 三大要素に比べてさほど 必要というものではありません。
(全くなしでは ダメです)参考程度で覚える必要はないでしょう。





△▼ 肥料の施肥量について
樹木を栽培する時にどれくらいの肥料を施肥するものなのでしょうか?
例えば 窒素が20g/u 年間に必要だとすると 緩行性複合肥料で 8−8−8の場合
20g÷0.08=250g/u(1年) という計算式になります。
すなわちこの場合 1u当り 250gを施肥すれば1年間は肥効があると言うことです。
樹木の植栽後 通常1〜2年は施肥管理を行いますが 落葉落枝などを取り除かなければ自然の循環システムに
乗せることができ 3年目以降は特別な事情がない限り 通常は施肥する必要はありません。
日本緑化センター’土をつくろう’ より












△▼ 土壌反応(土壌のpH)について
pH 反応の区分
8.0以上 強アルカリ性
7.6〜7.9 弱アルカリ性
7.3〜7.5 微アルカリ性
6.6〜7.2 中性
6.0〜6.5 微酸性
5.5〜5.9 弱酸性
5.0〜5.4 明酸性
4.5〜4.9 強酸性
4.4以下 極く強酸性
日本は雨が多いため土壌中のカルシウム分が流亡し その為日本の土壌は一般的に酸性にかたよる傾向があります。 
酸性が強いと(pH5.0以下)カリ、カルシウム、マグネシュウム、マンガンが溶脱してしまい リンサン、アンモニュウムと結びついて植物は吸収できなくなり、樹木の生育には適さない土になってしまいます。
日本の樹木は酸性土壌を好む物が多く pH値にして pH5.0〜6.5の範囲内で適正な生育をします。
































   

   □■肥料の種類と栄養(ひとつ前の画面に戻る)

◎化成肥料と有機肥料
◇◆化成肥料 さまざまな肥料原料を配合し さらに科学的な操作を加えた肥料です。
一般的には、NーP-K の三大要素を中心に配合され その配合の割合により特色のある効果をもたせています。
◇◆有機肥料 油粕や鶏糞・牛糞・骨粉・堆肥など、動植物を原料にして作った肥料。効果は遅効性で、土質の改良などにも役立つ。
近年は化成肥料が主流になっていますが 化成肥料に偏った施肥は地力(土の持っている植物を育てる力)の低下を
招く原因にもなっています。
有機肥料により 地力回復を図りましょう。
※有機肥料は原料によりさらに下のように分けられます。
動物質肥料 → 主に獣類や魚類を原料として作られたもの。有効成分は主にチッソ、リン酸。 骨粉や魚カスなどがあげられる。
植物質肥料 → 植物油のカス(油カス)です。 有効成分は主にチッソですが 少量のリン酸、カリも含みます。
自給有機質肥料  → 堆肥(ワラ、草、葉、などを腐らせたもの)や鶏糞、下肥(人間の・・・)など 農家が自給できる肥料をいいます。
有機廃棄物肥料  → ミミズの糞に代表されます。

◎速効性肥料と緩効性肥料                  
◇◆速効性肥料 その効果がすぐに現れる肥料。効果の持続が短い。
主に液体の物が多いように思う。
◇◆緩効性肥料
  (かんこうせいひりょう)
じわじわと効果の現れる肥料。長期間 効果が期待できる。
主に固形の物が多い。
最近では 表面を皮膜で覆った ’コーティング肥料’というのもあり
かなりの長期間に効くものもある。





































 
□■施肥の方法(ひとつ前に画面に戻る)
肥料の与え方は大きく分けて 穴を掘って埋める方法と 根元などに直接ばら撒く方法があります。
その方法により 下図のように分けられます。

▲元肥  『元肥』は施肥の基本でもあり 植物を植える前に あらかじめ 地面に埋めておく物をいいます。 
 その際 使用するのは緩効性肥料を選び、効果がゆっくりと持続するようにします。
▲追肥  植物を植えた後 追加で与える肥料です。 木の根元に浅い穴を掘り 速効性肥料と緩効性肥料を組み合 わせて施肥するのが基本です。
▲お礼肥  花の開花後又は果実の収穫後 消耗した樹木の体力回復のための追肥をいいます。
 速効性肥料を使うと良いでしょう。
▲寒肥
 春の成長期にむけて 花木の休眠期である 冬季に施肥するものです。
 冬の長い間 じわじわと効き目のある緩効性肥料を使います。


※追肥の図を参照
▲置肥  植えなどの土の上に置く肥料です。 固形の緩効性肥料を選びます。
▲肥料を地面にばら撒く  最も一般的な方法と言えます。 
 植物の種類によっては 根を広く横方向に張るものもありますが
 基本的には その樹木の枝の張り方を見て判断します。 
 植物の根は大体 枝先の真下くらいまで根を張っています。
 ですので 根元からかなり離れたところまで肥料をばら撒くと効果があります。