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「芝桜 管理(または 育て方)」 など2つのワードでググルと各社色々な説明が出てきます。
大体どこの説明も間違いではなく、耐寒性があり、蒸れに弱く、過湿状態に弱い・・・ などと記載されています。。
(※一部の業者の説明には首をかしげるものもありますが・・・・)
で、中には『場所が悪いと枯れる!』、『それは水が切れたのでしょう』
などと書かれています。 間違いとは言いませんが・・・。
また、最近のネットショップは、芝桜のことを良く勉強もせず、
ただ販売だけしているとう業者も多く見受けられます。
残念な事に芝桜も病気にかかります。 植物には避けられない物とお考えください。
では、芝桜の病気とはどんなものなのでしょうか?
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ではまず芝桜の病気を見てみましょう。
中央が変色している事がよくわかります。
中央部分はすでに末期の状態で簡単に言うと
枯れています。
これが同心円状にだんだんと広がって行きます。 |
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こちらはもうすこし広範囲で病気が広がっています。
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もちろんですがこれらがそのまま春を迎えるとこうなります。
折角の開花が・・・もったいないですね。
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※ピンク色の部分が歯抜けになっています。 |
※一部画像処理をしています。 |
続いては、線虫病により枯れたり開花しなかった事例です。
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どの写真も葉は緑色をしているにも関わらず咲いていません。
これらは花芽の形成時期に線虫病に感染したものです。
この病気に感染すると、開花終了後に枯れ始めることが多いです。
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ではどうするのか?? それはやはり病気になる前にキチンと対処しておく事です!
1. 開花前には病原菌を退治しておく!
2. 開花後には 刈込みなどで風通しをよくしておく! 風通しが悪いと病気の発生率は上がります。
3. 開花後のお礼肥も重要。 花も開花後はお疲れモードになります。栄養をあげましょう!
4. 線虫病に関しては、特別な知識が必要です。 |
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簡単に言うとこれだけの事になってしまいます。 2番3番はなんとく判るでしょう。
でも1番は?? 良くわかりませんね。 では、もう少し詳しくお話しましょう!
(有)石黒植物園が具体的にどうしているのかをすこしお見せします!
専門的は話になりますがお付き合いください! (^^)v
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右の写真は芝桜が病気にかかった中期の写真です。
(注:病気はこれだけではありません。)
下の方から茶色く色が変わっている事がおわかりだと思います。
病気にも色々あるので一概には言えないのですがこの病気は
主に内側から発生します。
それは単純に内側は風通しが悪いからです。
この病気にかかった芝桜の病原菌を取り出し それを培養してみます。 |
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右上の赤い点の付いたシャーレは、芝桜から取り出した菌を単純に
培養したものです。雑菌も多いので、接種した位置(中央)からなるべく遠い
位置からさらに菌を採取し、別のシャーレに(写真3個)それそれに接種し
ある温度下にて管理します。
※補足説明:シャーレの中には寒天培地があり中央の白い点は麦です。 |
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10時間もすると右の写真のように麦に接種した菌(この病気の場合は菌核と言う)
が発芽し白い綿のような物を噴出す。(菌糸と言う) |
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時間の経過と共に菌糸は広がり始めます。
同心円状に広がります。 つまりこの病気の場合は発生場所を
中心に同心円状に広がっていくという事です。 |
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さらに時間が経つと・・・・シャーレ一杯に広がりました。
・・・・・とここで良く考えて見てください!?
シャーレの中で病気が広がったという事は、この病気がシャーレの中で
広がらなければ病気は蔓延しないことになります!
ここで病気を抑える薬の登場です。 世間には実に多くの種類の薬が
販売されています。 一体どれを使ったら良いのでしょうか?
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病気の種類を調べるよりもどの薬が効果があるのか!? ・・・のほうが大切です!
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右の写真は同じように寒天培地に菌を接種した状態です。
そして回りの麦には各種薬剤(菌を殺すとされる薬)が色々と染み込ませた
麦が置いてあります。
これらを時間の経過とともにどのように変化するのかを確認します。 |
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※時間の経過は左から右へ
上から下へ・・・となっています。 |
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時間の経過と共に菌糸が拡がり始めた。 |
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菌糸が拡がりはじめました。 なんとなく下の薬を染み込ませた麦を嫌がっているように見えます。 |
こちらは全体的に拡がりが抑えられているような。 |
さらに時間の経過。明らかに上下の薬が効果が見られる。逆に右と左の薬は効いていない。 |
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時間の経過と共に菌糸が一杯拡がってしまったペトリ皿に効果があると思われた薬を追加してみる。 |
赤矢印が追加した薬。これに注目してみる。 |
数日が経過したらこんなになった。 どう見ても菌を殺す効果があったと思われる。 |
つまり大切なのは
’その病気が何か?’ なのでは無く その病気に ’効果のある薬剤は何か?’
という事なのです。
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・・・ちなみにこの菌糸を顕微鏡で見てみると・・・・
こんな感じです。
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さて長々と書きましたが、私の言いたいのは病気が出た!
と思ったら直ぐに効果のある薬を撒いたほうが良いという事です。
また 予防も大切です。
植物には動物のような血液の流れが無いので免疫力がありません。
つまり同じ病気には何度でもかかるのです。
だから! 定期的な予防処置が必要なのです。 予防には 刈込み作業による風通しの向上!
薬を使った予防処置! などがあります。
つづいて刈込み処置による病気対策です。
これは 気をつけては居たけれど病気になってしまった・・・
という時の対応方法と言っても良いでしょう。
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右の写真は残念な事に病気がかなり拡がってしまった後です。
茶色く変色しています。 |
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これをまずさっぱりとカットします。
そしてココからが重要!
カット後に上記の方法で調べた効果のある薬を散布します。
比較のために 散布区、非散布区の2箇所を設けます。
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そして2週間後・・・・
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薬剤散布区 |
薬剤無散布区 |
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左側は新しい芽が展開し緑が濃くなっています。
これはどういう事かというと病気にかかった大部分が刈り取り作業により排除されそこへ菌を殺す薬を散布した為
菌が死滅し 新しい組織が阻害される事なく芽が吹いたという事です。
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弊社では 芝桜に対する情熱はここまで注ぎます。
美しい芝桜をいつまでも咲かせるには何が大切なのか? を常に考えて。
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さらに! |
現在、芝桜に マツ枯れのような病気があります。
http://www.agri.hro.or.jp/boujosho/sinhassei/html/93/0521.htm
(北海道立総合研究機構 HP)
芝桜がセンチュウ(ナミクキセンチュウ)によって枯れると言う話です。
このナミクキセンチュウの病気が発表されたのは1993年。 本当にそうなのか?本当にそれが原因で大量枯損が起こるのか?
この病気を解明するために現在立ち向かっています。
個人レベルでどこまで出来るのか?? 無謀かも知れませんがチャレンジしています。
ちょっと紹介します。
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その病気を知るにはまずその病気の元となる原因を大量に
手にしなければなりません。
少量では研究も出来ません。 それにはまずその
ナミクキセンチュウの生態を
知らなければなりません。
まずは飼育しナミクキセンチュウをじっくり見ます。
まずは右の写真、頭部の顕微鏡写真ですが
なるほど ネグサレ線虫に判りやすいように
頭部に口針と呼ばれる ’針’のようなものが見えています。
(頭部中央の丸が二つ重なった部分から右へ伸びている棒のような物です)
この形状の口腔を持つものは 植物寄生性のようです。
(※必ずしもそうでは無いが)
つまりは植物を枯らす要因とはなりうるという事です。 |
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続いて雄の特徴です。
中央のすこし曲がった形状の針のような物を
’交接刺’といいます。
簡単に言いますと 人で言うところの男性のシンボルです。
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続いて雌の特徴です。
写真赤矢印部分に 切れ目のようなものがお分かり頂けますか?
これを ’陰門’ といいます。
簡単に言いますと女性のシンボル(!?)です。
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雄のしっぱの部分の特徴です。
赤矢印部分は体に付いたヒラヒラの幕で交接刺から尻尾の先まで
伸びています。
これを 尾翼、または交接嚢 といいます。 |
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このナミクキセンチュウと芝桜の枯損の因果関係は全くと言っていいほど研究されていないようです。
誰もやって無いなら自分でやるしかない。 、まぁ ・・・・ そういう事になりますよね。
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シバザクラ茎線虫病が病気として証明されました。
こちらから詳細をご覧ください!
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※写真の無断使用を禁止します。 |